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奇抜でありながら正攻法 「オリーブ大福」(たねや/滋賀・近江八幡) 秋冬の和菓子十選 その1

上原 久美子

2013/12/23

和菓子について

商品名:「オリーブ大福」
ブランド:たねや(創業:明治5年/滋賀県近江八幡市)
エキストラバージンオリーブオイルでいただく、新提案の大福。

titile_olive

 

CAPSスタッフランキング:1位

好き(9)/そうでもない(2)

「好き」のコメント

・「あんこにオリーブが斬新」
・「和菓子にイタリアテイストという発想が今のトレンドに合っている」
・「お土産にして、驚く顔が見たい」

「そうでもない」のコメント

・「話題性はあるが、後味は好みが分かれる。リピートはしないかな」

 

奇抜な組み合わせの中に見えてくる、たねやの正攻法

何はさておき、大福にオリーブオイルをかけちゃうというドキドキ感を誰かに伝えたくなります。エキストラバージンオイルの鮮やかな色と香りで鮮度は十分アピールできると思いますが、わざわざボトルに詰めて封を切らせる細やかな演出で効果は倍増。餅のマットな白肌に滴り落ちるオイルのフレッシュグリーンも、説明の必要なく美しい。

こんな組み合わせは一見奇をてらった話題づくりに思えますが、実は菓子本来の美味しさを追求しつづけるたねやの正攻法が貫かれているのが見えてきます。和菓子の基本中の基本である餅と餡でできた大福と、オリーブの風味を凝縮したオイル。ごまかしの効かない素材をよくよく吟味し絶妙なバランスを見定めるのは、まさしく和の食文化そのものです。店頭やWEBでの商品説明やパッケージの佇まいからも、これを新たな定番にしようという気概が伝わってきます。

チャレンジ精神と潔さ、和菓子とそれをいただくお客様への愛情。お菓子ひとつにたねやのメッセージを読み解いた気になれば、さらに誰かに伝えたくなります。そんなブランド・コミュニケーションのお手本のような一品です。

 

たねやの革新と正攻法を伝える知識

たねやには、別々に包装された皮と餡を挟んで食べる「たねや最中」という発明があり、 本来なら職人にしか許されない “焼きたて皮と餡の作りたて最中” が味わえます。 これも最中本来の美味しさを伝えたいという発想によって生まれた、一見奇抜な正攻法です。

(参考・出典:たねやオフィシャルサイト

 

ふたつ目の和菓子

次回は「和栗とチョコレートのフォンダン」(トラヤカフェ/東京)をご紹介します。

  • (東京本社 プランナー/アートディレクター)